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2007年11月10日 (土)

田沢湖から

昨夜、いつもより30分だけ早い新幹線に乗ることができた。
名古屋駅で東海道本線に乗換え、21時30分発の快速で岐阜に向かった。

連日の仕事で疲れていたため、入り口に近い座席とのしきりに僕はもたれて立っていた。
多くの人が乗り込み、最後に大きなリュックを背負ったご婦人が乗り込んできた。
電車の扉が閉まり、彼女は扉に顔を向けて、ガラス窓と平行に肩幅ほどに両足を広げ、しっかりと立っている。
大きなリュックを背負っているが、背筋がしっかりと伸びている。力強い。
近くに立っている、20代前半のOLよりも生気を感じる。
時折、ガラスに額をつけ、目を瞑ったりしているが、窓の外に流れる景色を彼女はまっすぐに見続けていた。

僕は彼女に興味をもって観察していた。彼女に興味と言うよりも、一人の人間として興味を抱いた。
白髪を短く整え、化粧はしていない。シンプルな眼鏡をかけている。
左腕にはベルクロのベルトを装着しているシンプルな腕時計。身に着けている洋服は一見軽装に見えるが、実は機能を優先した作りだった。
リュックは、本格的な登山用ではないけれども、2~3泊にちょうど良い大きさだ。その膨れ具合から明らかにこれ以上無駄なスペースはないことがわかるような、見事なパッキングだった。

右手は手すりを持ちながら、しっかりと切符を握り締めている。
近距離切符ではない、一回り大きな、僕と同じサイズの切符だった。

「どこか、遠くから来て、この電車に乗っているに違いない。」、僕はそう勝手に結論づけた。

名古屋駅から始めて停まる駅の手前で、僕はその答えを確認することができた。

彼女が手すりを持ち替えた一瞬に、次の停車駅である「尾張一宮」という4文字が確認でき、直後に始発駅である「田沢湖」という3文字が見えた。

岩手県と秋田県の県境にほど近くに位置する大きな湖だ。日本で一番深い湖であることを思い出した。

予想外だった。そして、嬉しかった。
中途半端に近い距離ではなくて、飛行機を利用することを真っ先に考えてしまう距離を、彼女が辿って来たことを考えるだけで嬉しくなる。

快速は定刻に彼女が降りる駅に停車し、たくさんの人と一緒に彼女は降車した。

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コメント

彼は都会の喧騒を潜り抜けてローカル列車乗り込んだ。
気が付けば、ひときわ異風を放つ一人の乗客。
彼は想像力を働かせずにはいられない。
持ち物、身なり、仕草、くさぐさの表情・・・・・・。
さながらシャーロックホームズのように推察する。
やがて彼は一つのストーリーを作り上げる。
次の瞬間、彼は思いもかけない事実を知った。
ひたひたと押し寄せる感動。
暖かく、そして、嬉しい気持ちが込み上げて、りゅうりゅうと勇気が湧いてくる。。。

素敵な情景に出会いましたね。
まるで一編の小説を読み終えたかのような余韻を噛みしめているhochamtなのでありました(笑)

hochamtさん、RESありがとう。

久々に体験できた面白い1シーンでした。
ついつい自分に甘く、他人に甘えてしまいがちだったり、人からの同情を買おうという人が多い中、こんなに「凛」とした人を見たのは久しぶりでした。
岐阜に向かう車内で、「是非、30年後にはあのような人になりたい。」と切に願っておりました。

そして今日は家族で土岐のアウトレットへ行ってきました。
どうでもいいのだけど、物が溢れすぎているという事と、自己主張を別の形で行えば良いのにと思う人が多かったなぁ。

そういう場所にわざわざ出掛けて行ったのだから、仕方ないのでしょうが。

Simple is Best.

ある意味、裸で勝負できる人になりたい。と思った昨日・今日でした。

よろしゅうになんでもない
http://www.yahoo.co.jp/

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